カウンセリングでの療法とは

はじめに…「認知行動療法」と、「論理行動療法」について

認知行動療法を簡単に言えば、「人の感情は、物事の見方や評価によって左右される」という考え方が基礎となってます。出来事(あるいは問題)に対する見方や受け取り方を変えて情緒状態を改善していく療法です。
論理行動療法は、人間が行動するのは、目的を達成する為であり、その行動は、様々なパズルのような、思考や信念(考え方)から、成り立っているという考えです。そして、考え方に無理があったり、自己中心的だったり、強い思い込みがあるために人は「悩み」ますが「悩む」のは、その「考え方が間違っているからだ」という理論です。しかし間違えないで欲しいのはここで言う「間違った考え方」とは自分を目標から遠ざける考え方であり、道徳的、常識的等とは、全く違う事だという事を理解して下さい。

例えば…コンビニのレジが進まない状況を、想像してみましょう。その状況に、イライラする人は結構居ると思います。認知行動療法では「イライラしているその気持ち・その状況・考え方」を「仕事が遅い店員も居るものだ」と変えて行きます。論理行動療法では、例えば「店員であれば誰でも、早く仕事が出来なくてはならない」と言う思い込みを 変えるようにします「みな、順番を待っている。自分の番は、前の2人の後だ。」「大丈夫、自分は10分位なら、待つ事が出来る」等のように、考え方(感じ方)を変えていく療法です。

短期療法は「ブリーフセラピー」、来談者中心療法は「傾聴」等ともいわれます。

問題解決志向短期療法は、可能な限りの短期間で、問題や症状等の改善を目指す療法です。従来のカウンセリングのスタイルとは違い、ケースバイケースで、ご相談者様の心の負担にならないレベルで、様々な形で間接的、直接的に介入していく技法です。ご相談者様の心(意識・無意識)には、それぞれ様々な形で、問題の改善方法がある、という考えがもとになっている療法です。カウンセラーは、その眠っている改善方法を見つけ出すお手伝いをします。

 例えば(極端な例ですが…)「カウンセリングを何回受けたら、良くなりますか?」と、ご相談者様に尋ねられたとします。カウンセラーは反対に「あなたは自身は、何回受けたら良くなると思われるのですか?」と、質問します。これが、技法のひとつです。つまり、良くなるであろう回数を自分が決めて、問題解決に自分がスタートを切っている状態に導く質問でもあるのです。
一方、来談者中心療法は従来のカウンセリングでもあります。積極的傾聴、受容と共感、問題に介入せず、指示、アドバイスは、しないと いうスタイルの療法です。ご相談者様の悩み、症状によっては必要な療法です。誰かに、しっかり聴いてもらうことで 心の負担が軽くなる可能性は大いに期待できる事と思います。